患者たらい回し問題の原因と改善

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患者たらい回し問題

誰もが一度はニュースや新聞で、急患を乗せた救急車が急患の受け入れを断られていくつもの病院をたらい回しにされたという記事を目にしたことがあるものです。
このような問題が起こると、医師が救急搬送の受け入れを断ったことに争点が集まりがちですが、目を向けるべきところは他にもあります。

医師が断らないことを方針にすることで、この問題が解決するかというと決してそうではありません。
もしも、いつでもどのような患者でも受け入れてしまうと、専門外の医師が担当しなければならないことも起こりうることになりますし、その時の病院の状況によっては研修医のみで患者を担当しなければならないようなことも起こりうるのです。

もちろん、いつでもどの病院でも医師が十二分に常駐していて急患に対応できることが理想だと言えます。
しかし、病院で預かっている患者の手術スケジュールや病院の医師の数によってはこのような受け入れが常に完璧に行えないのが現実です。

深刻な医師不足

そもそもの問題として、医師不足が叫ばれています。
人の命を預かる仕事のハードさ、それに比べると良いとは言えない労働条件、様々な理由から医師になる人の数は減少傾向にあるとされています。
さらに、医療の細分化によってさらに医師の数は求められており医師不足は深刻化する一方であるとされています。

サービス残業や連続勤務も当たり前に行われている病院が多くあります。
もともと不規則な仕事であるため、日勤の後に仮眠をとってそのまま夜勤を行うというシフトが組まれてしまうこともあります。

そのような時に残業が行われれば、医師は休憩なしに終日仕事をすることになり、これは判断力や集中力を欠き事故につながる危険性があります。
このような労働環境で急患を受け入れてしまうと医療ミスを起こしてしまう可能性もありますから、事故を起こさないためには断る勇気も必要なのです。

ただし、だからと言って急患を見過ごしていいわけではありません。
医師の労働条件の改善により人手不足を解消することが患者たらい回しを予防するために早急に必要な手立てだと言えます。

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