帝京大病院の中で発生された「スーパー耐性菌」とは

菌

薬が効かない……!

2010年に帝京大学医学部附属病院にて大規模な院内感染が発生しました。
感染者が60人、そのうち35人が死亡、9人は院内感染と死亡との因果関係が否定できないとされました。

この院内感染の原因となったのが「多剤耐性アシネトバクター・バウマニ」(MRAB)という病原菌です。
この病原菌はスーパー耐性菌と言われるもので、薬が効かない病原菌です。

もともと、今回のアシネクトバクターという病原菌は普段から自然に広く存在して、感染するものではありません。
それが病院内で不必要な抗生剤を使用することで抗生物質が効かない病原菌へと変化していきます。
アシネクトバクターは、強い病原菌になった後、医療機器やトイレといった場所から繁殖し入院患者へと感染していくのです。

アシネクトバクターは繁殖力も強く、日頃繁殖しにくい乾燥した場所でも増えていくのでドアノブやカーテンといった場所にも付着していきます。
栄養のない状態でも菌が2週間以上生存して人々の体内に侵入していきます。
感染をした人は、敗血症や肺炎を起こし最悪の場合には死に至ることもあるのです。

スーパー耐性菌を予防するには

スーパー耐性菌を完璧に予防するということは現在出来ません。
一般的な抗生物質ではスーパー耐性菌を減らすことはできないですし、現在有効とされている抗生物質も使用頻度が増えれば耐性ができて効果が出なくなることが考えられます。

もちろん、新薬が開発されてスーパー耐性菌に打ち勝つ薬ができる可能性はあります。
しかし、科学の進化に伴って最近も進化をして強くなり続けており、抗生物質よりも最近の方が優勢になりつつあるのです。
そのため、日本でもこれからスーパー耐性菌が増えていくことが考えられています。

スーパー耐性菌に打ち勝つために個人でできることは、抗生物質の使用を適正にすることです。
安易に抗生物質を使用し続けていくと耐性菌を増やすことになってしまいます。
こちらのサイトも参考になります。
>>http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3734/index.html

また、水質状態の保障がない川や海に安易に入るのもどのような菌があるかわからないために注意が必要です。
同様に海外旅行の際に、衛生状態の良くない国に行く場合には通常の海や川ではない場所でも、汚染されている可能性があります。
水や生物にも細心の注意を払い口にすることは避けたほうが賢明です。

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