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新薬を開発する研究職としての薬剤師

薬剤師と言えば薬局でおなじみの白衣の人として一般的には知られています。しかし、薬剤師の仕事は薬の調合だけではありません。研究職としての薬剤師も存在するのです。

研究職になるためにはなるまでのハードルが非常に高く戦略的に動かないなとなかなかなることは難しいと言えます。そこで、薬剤師が研究職に転職するさいに必要な情報をまとめてみました。

薬剤師が研究職としてはたらける職場

先に結論を言うと大手製薬会社に就職してしまと、実験質で作業をする研究職への転職はほぼ無理だと思ってください。

理由としては正社員として薬剤師を研究職で雇うケース自体が非常にまれであることです。

可能性がゼロということではありませんが、研究補助というかたちであれば、研究職として募集がされています。

例えば感染症疫学センターなどです。ただ、雇用形態は正社員ではなく、謝礼金払いになってしまうこと、さらに、募集期間も「1日5時間×3日、時給1350円」と短期間です。

要はパートアルバイトの補佐です。もしどうしても研究職として実験室ではたらくのであれば、悪い条件を覚悟ではたらく必要があるでしょう。

また、研究職はあくまで研究の補助なので、実績として残るわけではありません。また、毎年研究室にたいして編成される予算が少なければ、解雇されてしまいます。したがって研究職としてはたらくのは正直おすすめできないのが現状なのです。

仕事内容

研究職は研究を佐することが主な仕事です。例えば感染症疫学センターでは感染症に関わるウィルスへの薬剤の分析・評価・細胞培養・ウィルス培養が主な仕事になります。

仕事内容細部

  • ウィルスの培養
  • 培養細胞の維持管理
  • 薬剤の分析・評価
  • その他事務補助業務全般

やりがい

研究職を取り巻く状況は楽観的とは言えません。しかし、新しい技術や製品、価値を創りだすのがやりがいといえるでしょう。

これは研究職だけの話ではありませんが、自分ができる範囲の仕事をしていても、あまり満足感は得られません。新しい知識や知見にせっしたときはじめて達成感やまだやらなければならないことはあるといった充足感を得られるのです。

スキルアップを狙っている人にはチャンスと言えるのが研究職です。

難しさ

薬剤師から研究職へ転職するのは非常に狭き門です。同じ理系でも研究職となると、ただ勉強ができるだけでは採用されません。自分で考えて、仮定の結論をだすクリティカルシンキングが必須なっていきます。また、面接も10対1、面接は3時まではあたりまえ、その後プレゼンもしなくてはなりません。

また、面接では研究者としての内面や資質を需要視されるため、普段からの行いを正しましょう。天網恢恢疎(てんもうかいかいそ)にして漏らさずの精神で普段からの心構えが大切だと言えるでしょう。

就職方法

研究職へ就職するには大きく分けて三つの就職先があります。

一つ目は企業の研究部門、二つ目は公的機関や非営利団体などの研究機関の研究職、三つ目が大学のこって研究をつづけること。いずれにしても、大学院へ進学していないと研究職になるのは難しいでしょう。

最低限新卒修士は必要と言われているのでじっくりと時間をかけて、自分のやりたい研究職を選びましょう。

海外で薬剤師として活躍するには

海外

グローバルに働く

薬剤師になる人は、男女比でいうと女性の方が多いです。
そのため、結婚や出産、転勤といった家族の都合で仕事が続けられなくなる例もあります。
転勤先や、出産後の就労時間の変化があったとしても、せっかく大学に通って国家試験を受けて取得した薬剤師の資格を有効に活用したいと思う人は多いものです。

最近は薬剤師がドラッグストアで働く場面も増えたことで、雇用の機会が増えていますし雇用形態も正規職員だけでなくパートでの採用も増えています。
そのため、転勤であったり子育中であったとしても資格を活用して働くことができることも多くなりました。
しかし、家族の都合で海外に赴任することとなると、薬剤師資格を使用することが難しい場面も多くあります。

海外では、日本とは薬の使用についての法律や規制が異なっていることも多く日本で学んだ知識では対応できないことも多くあります。
そのため、その国の薬剤師の試験に合格して新たに薬剤師の資格を取得しなければならないです。

外国人でも薬剤師試験が受験可能な場合には、薬事法をしっかりと学んで準備をすれば合格することができますが専門知識はもちろん、問題文を読み解くための語学力
も必要であるためかなりの難易度です。
そして、国によっては外国人には受験資格がないということもありますから、薬剤師の国家試験に合格していても外国で薬剤師として働くことは難しいことが多いのです。

日本の薬剤師資格を利用して働く

日本の薬剤師資格を用いて働くと言うのは相当に大変なことです。
薬剤師として、薬の調剤の仕事はできないのですが、薬剤師の資格が活用できる方法として大学や病院、製薬会社で研究者として働くことはできます。
ただし、そのためには様々な条件が課せられることも多くあり、その条件も国によって異なるので必ずそのような仕事につけるとは限りません。

また、海外で働くためには相当なビジネスで英会話が使える程の英語力が必要です。
仕事となるので、専門用語の知識も必要となりますから、就職までも厳しいですし、就職後も勉強が相当な努力を要します。
地域や職場によってはTOEFLのスコアが求められることもありますし、今までの職歴や研究歴も求められることもあります。
スキルアップの方法としては、留学に行ったりビジネス英会話スクールに通ったりするという選択肢もあります。

スポーツ選手をサポートする「スポーツファーマシスト」とは

ダンベル

ドーピングを防止する

スポーツファーマシストとはまだまだ新しい資格です。
2009年に始まった資格で、ドーピングを防止するために生まれた資格です。

ドーピングとは、薬物を不正に使用して、精神や肉体を強化することや、それを隠蔽することを指します。
ドーピングをしてスポーツで良い成績を収めたとしても、フェアプレーに反するとして、スポーツ界全体で禁止がされています。
世界的に、ドーピングを撲滅しようという働きが強まっており、日本でも、国際アンチ・ドーピング条約が2005年に批准されました。

この、世界的なアンチドーピングの流れを経て誕生したのが、スポーツファーマシストという資格なのです。
ドーピングには、故意にしようが禁止されている薬を使用して成績を出そうとする場合と、不注意でドーピングとされ得る成分の配合されている薬を服用してしまううっかりドーピングとがあります。
日本では故意に行われるドーピングよりもうっかりドーピングの方が多いとして、そのための対策が行われています。

薬というのは医師の処方箋に従って処方されるものを服用する場合と、自分で市販薬を購入して服用する場合とがあります。
アスリートであっても、体調を崩すこともありますし病院に行くほどでもないけれども市販薬で様子を見たいという場面もありますから、その際に薬を服用する必要があります。

医師から処方される際には、自分がアスリートであること、ドーピングにならないように避けたい成分があることを伝えればそれに配慮した薬を調剤してもらうことができますが、自分で購入する場合には注意が必要です。
ドラッグストアで購入する際には、そこまで細かな成分を認識していないスタッフのこともありますし、自分で問題ないと思いサプリメントや栄養ドリンクを服用してしまうこともあり、このような時にうっかりドーピングが起こってしまいます。

ドーピングを防ぐためには、選手やその指導者、競技団体への情報提供をしたり啓発活動を行ったりする必要があります。
これに携わるのがスポーツファーマシストなのです。

スポーツファーマシストになるには

スポーツファーマシストには、薬の細かな成分の知識が要求されるので、薬剤師の免許を所持していることが前提とされています。
薬剤師資格を保有していれば、基礎講習会と実務講習会の2つを受講して、その後行われる知識到達度確認試験で所定の成績を収めれば日本アンチ・ドーピング機構から認定証を発行してもらえます。
認定機関は認定証発行日から4年間と決められており、資格を維持するためには都道府県が行っている実務講習会に毎年参加する必要があります。

まだまだ新しい資格であり、資格保有者も少ないですし活躍の場が少ないのが現状です。
しかし、これからのアスリート育成の一助をなす仕事として期待がされており活躍の場が与えられる場面も増えてくることが予想されています。